What one likes, one will do well.
先日、海外で学習塾の講師をしている友人と話す機会があり、インプット仮説という理論を教えてもらいました。
クラッシェン博士(S.Krashen)が、唱えている説で国語や英語の先生と言われる方々の中では、実際にこの考え方を基にした言語習得法が様々に開発されています。
Krashenの仮説は語学教育に大きな影響を与え、特に米国での影響は大きい。しかし、一方で一部の研究者からの批判も受けている。そのなかで、主な2つは、仮説が検証不能であることと、仮説が存在が証明されていない「習得と学習の差異」を仮定していることである。
wikipedia によると、上記のように検証不能な仮説のため賛否両方あるようですが、説としてとても筋が通っているので私は賛成派です。
そもそもインプット仮説とは?
簡単に説明すると、言語習得においては以下の2点が重要だという説です。
- 聴解能力の開発が大事である。(理解しながら言葉を聴くこと)
- 「i+1」のINPUTが最適である。(「i」とは=現在の言語力、理解力、「+1」とは=まだ知らない言葉や意味)
クラッシェン博士が推奨するINPUT方法とは
本の選び方を例に挙げると、8〜9割くらいの言葉は理解できるが、1〜2割は流し読みをして類推しながら読めるレベルのものが最適なINPUTとなります。
さらに、その内容も読み手のレベルに合っているだけでなく、興味を引き夢中になれる本であれば、より良い効果が得られるとのことです。
これを聞くと、「多読」は効果薄なのかという意見も出てきそうですが、とにかく量を増やす多読では、その中に「難しく意味のわからないもの」や「興味のないもの」が含まれた場合、習得者に「ストレス」を伴ってしまいます。
その結果、習得可能性が下がっていってしまうそうです。
子供はどうやって言葉を覚えていくのか
インプット仮説の根拠は、子供が言葉を覚えていく過程にあります。子供は生まれてから、様々な言葉を投げかけられていきながら(= 大量のINPUT)、自然と言葉が話せるようになり、理解していきます。
例えば、子供が車のおもちゃに興味があったとします。最初は、「〇〇ちゃんは、ぶ〜ぶ〜が好きね?」と話しかけます。その後、「ぶ〜ぶ〜(=i)はどこかしら?」や「あっくるま ( = i + 1 )があったわ!」と徐々に「ぶ〜ぶ〜」が「くるま」と同じ意味であることを理解していきます。
この流れに沿って言語習得をしていくことが、クラッシェン博士の仮説の根拠になっています。
好きこそものの上手なれ
では、英語の最適な学習方法とは何でしょうか?
- 文法をしっかり勉強してから言葉を学んでいき、英語を習得した。
- 好きな映画の台本や本をたくさん見聞きしていたら、自然と英語が話せるようになった
これらはどちらも正解です。ただ、共通していることは、習得過程において「大量のINPUT」があったことです。そしてそれを続けられるのは、興味があって夢中になっているからです。
好きこそものの上手なれ、英語では、”What one likes, one will do well” ということわざがあるように、上達への近道は心から楽しんで英語を習得できる環境で学ぶことだと思います。
キッズパスポートでは、その興味を持続できるよう、そしてもっと好きになれるよう、毎日講師たちが議論を交わしています。
生徒さん自身で目標や目的を持つことができ、自身でもっと英語をもっともっと話せるようになりたい!と心の底から思え、それを私たちが十分にサポートしていければ、生徒さんの英語力はぐんぐん伸びていくのだと確信しています。
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