小学校が終わったあとの放課後、仕事や事情があり子どもを見ることができない親に代わって、保育を担ってくれるのが学童保育(アフタースクール)です。現在では共働き世帯も増え、利用を検討している保護者の方も多いかもしれませんね。
この学童保育では「おやつを準備してください」や「おやつが出ます」といった保育中の軽食についてアナウンスされることがあります。とはいえ、家で食べるわけではないので「どんなものを準備したらいいの?」「何の目的でおやつが出ているの?」と悩む親も多いよう。
そこで今回は、今さら聞けない学童保育のおやつ事情に注目します。提供されるおやつの種類や、準備を求められたときの対応法など、学童保育のおやつについて詳しく知っていきましょう。
この記事はこんな方におすすめ▼
- 学童保育の利用を検討している方
- 民間学童の「おやつ」に疑問を持っている方
- どんなおやつを準備すればよいのか悩んでいる方
この記事ではこんなことがわかります▼
- 学童保育中におやつが出る目的
- 学童保育中に出るおやつの種類
- 子どもに持たせたいおすすめおやつ
1.学童のおやつの目的
そもそも学童保育ではなぜおやつが出るのでしょうか。おやつの時間、軽食の時間が設けられている理由と目的を解説します。
1-1.栄養補給
学童保育は利用する時間帯・学年にもよりますが、放課後の時間すべてを合わせると最大で5時間近くにも及びます。昼間に給食を摂ったあとは夕食までの時間が開き、この間の栄養補給としての役割を果たす目的が大きいです。
厚生労働省の「放課後児童クラブ運営指針」にはこう定められています。
子どもにとって放課後の時間帯に栄養面や活力面から必要とされるおやつを適切に提供する。
引用元:厚生労働省 【別紙】放課後児童クラブ運営指針
小学生という成長過程において、栄養補給はとても大切。自宅でもおやつの時間があるご家庭がほとんどですよね。学童保育のおやつは嗜好品としての役割だけでなく栄養面も重視される点を頭に入れておきましょう。
1-2.リラックス
おやつを食べる時間は、緊張した子どもの心をほぐすリラックス効果にも繋がります。小学校というのは、通い始めたばかりの子どもにとってはこれまでの環境と大きく異なり、とてもストレスが大きいもの。おやつ時間を利用して、こうしたストレスを緩和するのも目的のひとつです。
また、おやつには甘いものが多いですよね。栄養補給と同時に疲れた頭や体を癒すリラックス効果も期待でき、放課後の子どもにとってエネルギーチャージの時間にもなります。
Point
友だちと食べる”おやつの時間”が楽しみになり学童へ通う子どももいる
1-3.コミュニケーション
おやつの時間は学童保育のなかで、勉強も遊びもしない休憩時間として利用されています。この間は宿題や遊びの手を止めて、みんなで一緒におやつを食べます。
その間、子どもたちは学年を超えた会話もできますし、普段は喋らないお友達とコミュニケーションを取るきっかけになるでしょう。こうしたコミュニケーション促進の目的もおやつにはあります。
学童保育は比較的単独行動をとれる時間が多くなっていますが、軽食時間を利用することで、社会性を育む機会にもなるのです。一方でコロナの影響によりマスクを外す際は、黙食を徹底している学童も多くなっています。
2.学童のおやつの提供方法
おやつにはさまざまな目的があることがわかりました。なぜ、学童保育におやつ時間があるのかが理解できた方も多いかもしれませんね。
では、実際の学童保育ではどのようにしておやつが提供されるのでしょうか。各学童保育によって異なりますが、一般的な例をピックアップしてご紹介します。
2-1.市販のお菓子の配布
学童保育には2種類あり、
両者は保育内容もおやつも大きく異なります。公立学童ではおやつは配布されることが多く、スナック菓子や市販品がメイン。このおやつの内容に不満の声が出ることも少なくありません。
ですが、市販品を主とするには理由があります。
- おやつはこだわるほどの意味を持たないから
- 手作りなどと違い市販品は衛生リスクが低い
- 「食べられない」子への配慮ができる
これらの理由から、市販品をおやつにする学童保育は多いです。配布にするのも、その場では食べられない、お腹が空いていない子でも持ち帰り自宅で食べられる点が考慮されています。
2-2.ビュッフェ
一部の公立学童や民間学童では、おやつを数種類用意して子どもが選び取るところも。ビュッフェスタイルのおやつだと、子どもの気分も上がりそうですね。
ビュッフェスタイルを採用した学童で配布されるおやつは、市販品のこともあればパンやくだものなど軽食の場合もあります。ポイントは子どもが好きなものを選ぶことによって「自分で決める楽しさ」を感じられることです。
おやつにも子どもそれぞれ好みがありますが、このスタイルなら好きなものを食べられるでしょう。ただし毎回ビュッフェ形式にすることも難しく、「週に1度だけ」と機会を絞る学童も。どのようなおやつがもらえるかは、学童ごとのスケジュールによってさまざまです。
2-3.手作り
職員による手作りのおやつや、子どもと一緒に調理体験もできる手作りおやつを用意することもあります。毎日手作りする学童は多くありませんが、職員に相応の資格所有者がいる場合に限り、手作りおやつへの取り組みも全国では見られるようです。
少し前までは手作りおやつも珍しくありませんでしたが、現在では感染症蔓延の影響もあり、手作りおやつは出されにくくなっています。
3.学童のおやつの例
学童保育のおやつにはさまざまありますが、例としてよく出るものをあげてみましょう。
- スナック菓子、おせんべいなど個包装のお菓子
- 洋菓子(クッキー、ビスケット、チョコレートなど)
- 和菓子(ういろう、団子、まんじゅうなど)
- 軽く食べられるもの(チーズ、茎わかめ、かまぼこなど)
- 菓子パンやドーナツ
- 乳酸飲料やパックのジュース
- 飴やキャラメル
- ゼリー、プリン、ヨーグルト
このようにさまざまなおやつが用意され、1回につき3~4種類を一緒に出す学童が多いようです。おやつにはお菓子としてのおいしさだけでなく、体によく栄養バランスが取れたもの、季節感も重視されています。
また、お誕生日会や季節の行事がある日にはケーキや先ほどご紹介した手作りおやつなど、特別なメニューに切り替わることも。学童保育は子どもを見守るだけでなく「体験」も大切なので、季節の楽しみを味覚で感じられる過ごし方は大きなメリットと言えそうです。
4.学童のおやつの費用
学童保育によっておやつの費用はさまざまですが、無料で提供されるものではありません。保育料のほかにおやつ費が設定され、平均すると月に1500円ほどかかる計算になります。
このおやつの費用は各学童保育の運営指針によっても異なり、なかには利用する保護者が集金してやりくりし、管理することも。子どもの利用人数や地域によっても差が出ています。
保育料におやつ費が含まれていることもあるため、ご自身が利用する学童保育のおやつ費を確認してみるとよいでしょう。
多くの学童保育では、1日のおやつ料金を50~100円として設定しています。なかには月に2,000円とするところもあり、おやつの費用は施設によって大きく異なるようです。
5.おやつの準備方法
これまで学童保育側で用意されるおやつについて解説しましたが、おやつは「持参する」と決めているところもあります。自分で持って行くおやつなら好き嫌いも出ず、なおかつ衛生面でも安心できます。
ただし、学童によっておやつの準備方法に決まりがあるので注意しましょう。
- 手作りのものは禁止
- 日持ちしないおやつは禁止
- 果物はカットしたものは禁止
など、施設によってルールがあります。事前にチェックしたうえで、おやつを準備できるとベストです。
「どんなおやつを用意すればいいの?」と悩むかもしれませんが、スーパーやコンビニで購入した市販品でも構いません。量も規定内であればいくらでもかまいませんが、夕食を食べなくなるなど影響が出る量は控えるとよいでしょう。
毎日通うとなるとおやつを準備するのも一苦労。そんなときは、学童用のおやつを販売する通販を利用するのもひとつの手段です。ネットで簡単に購入でき、近所のスーパーでは見かけないようなおやつもあるため、バリエーションを増やせます。
Point
おやつの準備方法は学童保育によって異なる
6.おやつを選ぶ時のポイント
おやつを持参するときは、選び方に悩みますよね。子どもと相談して決めると理想的ですが、選ぶときのポイントを見ていきましょう。
- 子どもが食べられるものかどうか
- アレルギーに配慮できたものかどうか
- 栄養価、季節感があるものかどうか
- (お腹が空くといった場合)お腹にたまるものかどうか
- 日持ちするものかどうか
学童におやつを持参するメリットは、親が食べて欲しいおやつを指定できること、そして子どもの好きなおやつが用意できることです。毎日同じものでも構わない子もいますが、バリエーションをいくつか用意して、子どもが学童保育の時間におやつを楽しく食べられるよう工夫できるとよいですね。
7.学童のおやつの課題
学童保育のおやつにはいくつか課題があります。それぞれの問題とその解決策を見ていきましょう。
7-1.好き嫌い
学校給食と同じように、おやつにも子どもの好き嫌いがあります。指導員によって嫌いなおやつ、食べられないおやつへの配慮は異なりますが、なかには「おやつが食べ終えられないからずっと座っている」という子も。
理想的なのは出されたおやつは「全部食べて帰る」ことですが、どうしても手が出せない場合は「持ち帰る」「半分だけ食べる」のを許容してもらうのもひとつの手段です。
7-2.アレルギーへの配慮
食物アレルギーがある子へは、おやつを変更したり持ち帰りしたりする配慮が必要となります。アレルギーは単純な好き嫌いではないため、特定の食べ物を子どもが口に入れないよう注意が必要です。
学童を申し込む際にアレルギーを申告する、もしくはおやつはすべて手持ちに切り替えられるか打診すると安心。事前に伝えておくことで、トラブルを回避できるでしょう。
7-3.費用設定
学童におやつを持参する場合、費用が「200円まで」などと決められていることがほとんど。これ以上のおやつを持参しても、指導員が価格まで細かく見るのは難しいので、注意を受けることは少ないかもしれません。
ですが、費用に対して多めに持たせるのは控えておきましょう。周囲の子が自分の量と比較し、トラブルのタネになるかもしれません。
7-4.衛生管理
おやつの衛生管理は学童保育によって細かくルールが決まっていると思いますが、衛生的な状態でおやつを楽しめるようにしましょう。賞味期限が切れるおやつや、夏場に対策せずくだものなどを持たせると、放課後までに傷むこともあります。
また、低学年のうちは自分で食べられるようなおやつにできるとベストです。りんごや梨など包丁を使って皮むきしないと食べられないおやつではなく、バナナなど食べやすいものが子どもにも喜ばれるでしょう。
7-5.おやつを欲しがらない
最近では授業時間が長くなることで、お腹が減っていない、もっと遊びたいからおやつは食べたくないとおやつ自体にストレスを感じる子もいます。このときの対応は学童保育によって異なりますが、家庭でもおやつの目的や持参する場合は子どもの負担にならないよう量の調節が求められるでしょう。
これまでご紹介してきたように、おやつには良い面も悪い面もあります。ご家庭の捉え方次第にはなりますが、利用する施設のルールを守った上で、ベストな方法を探っていけるとよいですね。
8.アレルギーがある場合の対応
アレルギーがある場合は、まず学童保育に何のアレルギーがあるのか、おやつはどう取り扱っているのかを確認しましょう。知らないうちにアレルギー反応の出る食材を摂取してしまったり、症状が出たりしてトラブルになるからです。
ほとんどの場合で、おやつは持参となるかおやつなしなどの対策が取られます。持参する場合はほかの子と違う内容のおやつになるので、子どもにしっかり言い聞かせをして、子ども自身にも「食べられるもの」「食べられないもの」があることを自覚してもらいましょう。
まとめ
意外と知られていない学童保育のおやつ事情。利用する学童によってはご家庭でおやつを準備する必要もあるので、ご紹介したようにおやつに関して事前知識をしっかりと持ち、対策しておくとよいでしょう。
「おやつにはこだわりたい」「子どもに学童保育中も食事を楽しんでもらいたい」と思う方は、横浜市のキッズパスポート英語学童がおすすめです。キッズパスポートには施設内に本格的なキッチンが用意され、手作りのおやつ・食事が衛生的に楽しめます。
英語学童に興味があり、気になる方は、まずは体験入学から始めてみてくださいね。
投稿者プロフィール
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西田 幸次
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楽しい・ワクワク・ドキドキを抱えながら、日本語を自然と覚えたように英語を習得して欲しい…それがキッズパスポートの目標です。
スクール長として、時にはお料理担当として子どもたちと触れ合い、日々の表情に気を配りながら、子どもたちの成長と「やりたい!」という意欲を育んでいきたいと考えております。
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